目元には黒い布で目隠しがされてて、口にはボールギャグ。
体中から響いてくる煩いくらいのモーター音だとか濡れた粘着質な音とかでひっきりなしに聴覚から頭ン中まで犯されてて、時計も見れない俺には今が何時かなんて解りゃしない。
『1時間したら帰ってくるから』
これさえ無ければとっとと意識飛ばせンのに、朦朧とした意識の中で何度も思い出すその声が無駄な期待を溢れさせて、楽になることも出来ない。
…1時間って、こんなに長かったっけ。
「ふぅッ、う、んンンっ…!んっ、んぅっぅうぅ…ッ」
微かな血の匂いにぼやけてた意識がふっと明度を取り戻して、それとほぼ同時に涙と体液で濡れた目隠しがするりと解かれる。
「ただいま、悦。いい子にしてた?」
「はぅ、う…んぅうッ…ふ、ぅンん…っ!」
頬を濡らす涙をゆっくり焦らすみたいに舌で掬い取りながら尋ねる傑に、俺はがくがく頭振って頷いた。両手をそれぞれ足首に括りつけられて、そのまま両足をベッドヘッドに固定された状態じゃ、どれだけ暴れたって腰振るくらいしか出来ない。
そんな状態なんて俺以上によく解ってるくせに、ベッドに乗り上げた傑は「ふーん?」なんて気の無い返事をしながら広げたまま固定されてる俺の両足の間に手ぇ突っ込んで、乳首にテープで貼り付けられた小さなローターをぐっと押す。
「んンんんッ!…ふ、ぅっ、ぅんンンッ…!」
ずっと震えてた所為で剥がれかけてたテープをもう一度きっちり張りなおされて、真っ赤に膨れた乳首の芯まで震わせるような振動に足を震わせながら身悶えれば、楽しそうにくすくす笑って剥き出しのもう片方の乳首に指を這わせる傑。
「コッチは何もしてねーのに真っ赤になってるけど、何で?」
「んふぅう…ッ、んぅ、う、ぅうぅ…っッ」
片方だけ何もされないまま、散々焦らされてた乳首を爪を軽く食い込ませながらくりくり弄られて、放置されてる下半身にモロに響いてくる快感に思わず涙が溢れる。
意地悪な傑がしてった「仕掛け」の所為で、意識が飛ぶくらいの快感を常に味わいながら俺はまだ1回もイかせて貰ってない。
「我慢できなくて自分で擦った?」
「っは…ぁ、あ…ちが…ッ」
1時間ぶりに外されたボールギャグに、思わず首を振って違うって言ったら乳首を嬲ってた傑の指がぴたりと止まった。
恐る恐る横顔を見上げてみれば、その深い藍色の瞳は完全に鬼畜モードに入ってて。絶対に酷ェことされるって解ってるのにぞくぞくした快感に背筋震わせてる俺にも、マゾのスイッチが入ってる。
こーなったらもう止まらない。俺も、傑も。
「へぇ?…じゃあ、どうしてこんな風になってンのか説明してみろよ、悦」
「ッひ、ぁ!ンぁああッ、あ、ぁ、あーッ!」
聞きながら傑の手は奥に突っ込まれてる図太いバイブを震えたまま引き出して、突起がびっしり生えてるカリで前立腺をごりごり擦りながらそれをゆっくり抜き差しし始めた。
ずっと中に入れられたまま弱い振動で責められ続けてた襞はもうとろとろに解れてて、ねちゃねちゃ音を立てながら掻き混ぜられる責め苦に意識なんか吹っ飛びそう。
「ひぃイッ、!…い、ぁ、あぁ゛ああっ…!はぁぅっ、はぅうッ…ッっ」
「自分で膝擦りつけて、真っ赤になるまで弄ったんだろ?…いい子にしてる、って俺との約束破って」
「ひあぁあ゛ァッ、ぁ、ひぃ…ッ!あ、ぁッ…ゃらぁあッ…!」
バイブで中を掻き乱されながら耳元で囁かれて首を横に振るけど、俺のことなんて全部お見通しな傑には下手な嘘なんてすぐバレる。
バイブを動かしたまま、傑のもう片方の手が先走りでぐしょ濡れになったモノの先端に伸びてきて、嫌がって暴れる俺を簡単に押さえつけた傑の指が先端から伸びる細い棒を摘んだ。
「あ、あッ…や、動かさな…っあぁあ゛ぁあッ!」
ずるり、って引き出されたのは細い細い金属製の棒で、丸がいくつも連なったような形をしてる。丸みを帯びた凹凸が引き出されてく度に入り口をごつごつ叩いて、許容範囲を超えたその快感に、目の前で真っ白な火花が散った。
「あぁうぅう…ッ!ひッァあ、ぁっ…も、抜いっ…あぁ゛ア!や、やだっ…嫌ぁ、あぁあッ…!」
「…ま、言いたくねーってンならそれでもイイけど」
「っふ、ぁ…?」
約束を破ったことを白状させてそれをネタに苛められるとばっかり思ってた俺は、不意に興味を失ったように棒から手を離した傑を戸惑いながら見上げる。
まさか、この上更に放置でもされンのかって体を強張らせた、瞬間、
「ッ!ぁぐっ、ぁ、あぁ゛あああ!」
抜けかかってた棒がじゅぶじゅぶ音立てながら一番奥まで突っ込まれて、鎖で自由を奪われた体がびくんて跳ね上がる。
頭の奥でブヅッ、て音がして一瞬だけ目の前が真っ暗になるけど、そのまま気絶なんて真似を傑が許してくれるはずが無い。
ずるるって引き抜かれてったバイブに喘ぎながらちょっとホっとしたのも束の間、次の瞬間には傑のデカいモノに熟れた内壁を奥まで突き上げられて、冗談抜きに呼吸が止まった。
「あ、がッ…ぁ、あ、あっ…ひぃッ…!」
「あのバイブそんなによかった?ぐちゃぐちゃだけど、中」
「あ゛ぁ!あ!ぁあッ!はぁうぅッ、ゃ、やらぁッ…ひッ、あぁあ゛あ!」
長時間責められ続けて傑の言うとおりぐちゃぐちゃに蕩けた中を、奥まで突っ込まれた熱い傑のモノに掻き混ぜるみたいに抉られて首を振って嫌がるけど、真性サディストの恋人はそんな俺を愉しそうに見下ろして、尿道に突き刺さってる棒を上下させる。
ぐじゅ、ぐじゅ、ぐじゅ。
「あぁ゛あッ、あっ、あぁあぁ…ッ!も、も、壊れ…こわれ、ちゃ…!ひぁっ、はぅう゛ぅ…!」
射精しないまんまの絶頂、空イキを棒を動かされる度に繰り返して、棒から伝ってくる白濁交じりの先走りで自分の顔を汚しながら泣きじゃくって、下半身からドロドロに溶けていきそうな快感に鎖ガシャガシャ慣らしながら身悶える。
無理、これ無理。
「…じゃあ、最後にもう1回だけ聞いてやるよ」
「はッ、はぁっ…はひ、ぃいッ…!」
「約束、破った?」
耳元に甘い声を囁かれながら棒を飲み込まされて広げられた尿道口を爪で撫でられて、俺は朦朧とする意識の中でかすかに頷く。
「はぁ、ぅっ…やぶ、った…はぁあ…ッがまん、でき…なくて…ッっ」
「…じゃあ、何か言う事あるよな?俺に」
空イキばっかり繰り返してちゃんとイケないまま、神経を炙られるみてぇな快感に散々責められてまともな思考なんて働かない中で、動かない頭で一生懸命傑の言ってる意味を理解して。
「っは…ぁ、ごめ…っ、ごめん、なさ…」
「…よく出来ました」
息継ぎもままならない状態でなんとかそれだけ言った俺に傑は綺麗に笑って、散々溜めさせられた精液を中で掻き回してた棒に手をかける。
「嘘吐いた分の仕置きはまた今度にするから、俺もイかせて。……悦はイイ子だからもうちょっと頑張れるだろ?」
「ん、んンっ…!、ぁ、はぁ、ああぁあっ!」
ガキに言い聞かせるみたいな優しい声に騙されて頷いた途端、前立腺擦りながら容赦なく突き上げられて、ガクガク揺さぶられている内に何時の間にか手錠を外されてた腕で俺は傑の首に縋りついた。
「あッ、あ!ぁ゛あっ、ぁひっい!あ、スゴぃっ、これ、ッぁ、あーッ!」
「…ん……?」
「おはよ。…っつーかもう6時前だけど」
「んー……あッ!」
「ッ…ンだよ、いきなり。デカい声出すなって」
「煩い、離せ馬鹿!今日5時半から仕事入ってンだよ!!」
「あぁ…アレね。そーいや鬼利から通信入ってたぜ」
「ッ…!知ってンなら起こせよこのサドッ、つーか離せって!」
「大丈夫だって、もうやっといたから」
「はァっ!?…やっといたって何を!」
「何って、仕事?」
「…俺の?」
「そ。ちゃんと依頼どおりに殺して、片付けも終わってっから」
「……」
「だからもうちょっと寝―――ッ…」
「……」
「…ってェな、肘打ちかよ。嬉しいなら素直に礼くらい―――ぐッ…!(肘打ち2回目)」
「煩い。うるさいうるさいうるさい…っ」
Fin.
10.000hit記念、感謝SS!
アンケートの結果【鬼畜で○○責め】ってのがダントツだったので、マイブームの尿道責めでお仕置き