「な、んでこんなッ…!ちょ、ヤだ、マジで嫌だって!」
「騒ぐなって。こんな序盤からバレたらつまンねーだろ?」
「そ、いう問題じゃ…っんンぅ!」
「いーから早く行けよ。前のもスイッチ入れられたい?」
「ッ…や、だ…」
「じゃ、どうぞ?」
「はぁっ…は…ッ」
人気の無い廊下に響く、嫌になるくらい甘ったるい自分の声。
涙で潤む視界の中で、あと部屋5つ分先にある医局{過激派}の標識を睨みつけながら、俺はガクガク揺れる膝を壁に叩き付けた。
「っざけ…やがって、あの…変態…ッ」
声を噛み殺そうとしてンだけど、歩く度に突っ込まれたローターがイイトコを突付いて来るから、壁に手ぇ突いて体支えてる今の状態じゃあ鳴き声耐えるので精一杯。
医局があるのは”街”の更に下層の最地下階で、フロア内にあるのは武器庫と倉庫くらいだから人気はほとんど無い。けど、
「っぁ…く…!」
…だからって、後ろにローター突っ込んだ上尿道にバイブ入れられて、しかも自分で抜けないようにって貞操帯まで着けられた仮にも恋人を、そういう道の犯罪にかけてはプロ級の”女王様”のところにわざわざ使いに出すか、普通!?
行きたくない。…すげェ行きたくない…。
「っ…はぁ…ん、ん…ッ」
気ィ抜くとすぐに崩れそうになる足をなんとか支えて、俺はこれ以上無いってくらい時間を掛けて医局の扉の前に立った。
「ど…しよ…」
こういう時に限って幽利は居ねぇし…入りたくないけど、ここで包帯貰って帰らないと傑に何されるか解ンねーし…
「…包帯、だけ…だし」
治療受けるわけじゃねーし、その辺のナースに頼めば1分で済む。…筈。
半分自分に言い聞かせるみたいに腹ン中でそう言って、俺は1度深く呼吸してから医局の扉を開けて、
「…あ」
「あら?」
…1人で鞭の手入れをしてたカルヴァと、開けた途端ばっちり目が合った。
「随分可愛らしい顔をしているようだけど…どうかして?」
「あ、っと…包帯…」
「包帯?…ああ、欲しいのね。幾つお入用かしら?」
今更閉めるわけにも行かなくて、仕方なく医局に入った俺に妖しく微笑みかけながら、カルヴァは腰掛けてた診察台から立ち上がった。真っ赤なヒールでカツカツ床を叩きながら、鞭を持ったままでゆっくり歩み寄ってくる。
玩具の所為で動きの悪ィ頭でよーやくヤバい、って思った時にはもう遅くて。真っ赤な鞭をするする引きずりながら近寄ってくるカルヴァに、今さっき入ってきたばっかりの医局の扉まで追い詰められた。
「ッちょ、何するっ…んンッ」
ヤバ…ッ
ぐい、って膝で貞操帯ごとモノを押し上げられると我慢出来なくて、思わず跳ねた声にカルヴァがくすくす嗤う。
「あらあら…随分可愛い声で鳴くのねぇ?」
「っるせ…離せ、よ…!ンぅ…ッ」
肩を押し返そうとした手をあっさり壁に押し付けられて、情け無ぇなんて思う間も無く深く入ってきた膝に足が浮くくらいそこを押し上げられると、もうそれだけで力が抜ける。
「辛そうね。…楽にしてあげましょうか?」
「ふっぅ…、うぁ…!」
耳元で囁かれながら体裏返されて、手首に緩く巻きつけられた薔薇鞭の刺が手首に刺さる痛みに一瞬体が強張った俺にくすくす笑いながら、カルヴァは慣れた手つきで俺のベルトに手を伸ばした。
抵抗しなきゃなんねーのに、「楽にする」って単語を聞いた途端力を無くしてるんだから本当にこの体には嫌気が差す。淫乱なのも大概にしろってンだよ…!
「あら…念の入ったことね、貞操帯なんて」
「…っ…!」
ベルトを外された前から入り込んできたカルヴァの手が、傑に着けられた腰にある留め金に細工がしてあって自分じゃ絶対に外せない、っつー究極に厄介な貞操帯を撫でて、ジーンズの中であっさり外した。
貞操帯外されたってことはこの後もっとヤバい事になる、って解ってンだけど、バイブの圧迫感だけでも相当キてる俺の体は喜ぶみたいに震えて、刺さった細い棒の隙間から先走りをダラダラ零してるからマジで泣きたくなった。
「も…頼む、から…ッ離せよ…!」
「ねぇ?さっきから思ってたんだけど、」
「んンッ…はっぁ…!」
必死で歯ァ食いしばって声を堪えてた俺の耳元で囁きながら、カルヴァは指先で俺の唇をこじ開けると、丸い飴玉みたいなモノを俺の口の中に突っ込んで来た。
吐き出そうとする前に表面の薄い膜が破られて、溢れてきた甘ったるい液体が口ン中に広がってくる。気持ち悪くて吐き出してぇんだけど、中に入ったままのカルヴァの指が邪魔して少しずつ飲み込まされてく。
「…誰に向かってそういう口を利いてるの?貴方は」
「ふぅ…ぁッ…くぅ…っッ」
「ダメでしょう?可愛がって貰ってるんだから良い子にしないと。…ねぇ?」
ちゅぷ、て音立てながら指が抜かれた頃には液は半分近く飲み込まされてて、薬か何かだったらしいそれの所為で意識がぼやけだす。ずるずるその場にしゃがみ込んで、……あ、何だろこれ…何か酔ったみてーな感じ?目の前までぐらぐら揺れ始めた。
「いい子ね、悦。この玩具のスイッチはどこ?」
「ひぁッ…ぁ、あぁあっ…す、ぐ…るが…ッ」
遠隔操作の尿道バイブをゆっくり引きずり出しながら、カルヴァは気持ちよすぎてされるがままの俺の口にまた指先を突っ込んだ。くちゅ、て音立てながら舌を弄られて、傑のより柔らかい指先に口の中を隅々まで犯されてく。
「はぁぅ…っん、んンっぅんんうぅ…!」
「いけない子ね、こんなにお漏らしして。ほら、私の手までもうぐちゃぐちゃ」
「ぁ!あ、ぁ゛、あ…ッっ」
半分くらい引っ張り出してたバイブを元通り詰め直して、カルヴァは先走りで濡れた手を目線の高さまで持ち上げると、先走りが糸引きながら滴る様を俺に見せつけた。
普通ならまず見ちゃいられねー光景なんだけど、薬の所為なのか視線が外せなくて。厭らしく糸が伝ってくのを魅入られたみたいに見つめながら、カルヴァの指先でかき回されて唾液に濡れた唇から熱っぽい吐息が漏れる。
…♪~…♪♪~♪~…♪~…
「あら、誰かしら?」
「はっ…ぁ、はあ、あぁ…ッ」
不意に響いた電子音は俺のだったみたいで、先走りで濡れた手を俺のジーンズで拭ったカルヴァが探ったポケットから、入れた覚えの無い端末が引っ張り出される。
通信を示して両サイドが青く光ってる端末をカルヴァは片手で開くと、口の中を嬲る手は止めないまま俺の背後で通信を繋げた。
「どちら様?」
『…やっぱお前か、カルヴァ』
ちょ、…この声…!
辛うじて聞こえた声は紛れも無く傑のもので、呆れたようなその声に俺は慌てて指を舌先で押し返すと、俺の背後にぴったり寄り添ってるカルヴァを見上げた。
『悦は?』
「いるわよ。今、ウチの子達が{穏健派}の襲撃に行って暇だから丁度いい玩具だわ」
『玩具なら専属がいンだろーが。さっさと包帯持たせて返せよ』
「…って言ってるけど、どう?傑の所に帰りたい?」
端末を耳に当てたまま、わざとらしく小首を傾げて当たり前のことを聞いてきたカルヴァに、俺は即頷こうとして、
「ひぁッ!?あ゛ぁ、ぁ、あぁ!」
何時の間にか下ろされていたカルヴァの指に尿道のバイブを勢いよく出し入れされる、頭を殴られるような快感にその声を悲鳴に変えられた。
「…残念。厳しい御主人様の躾よりも、魔女からのご褒美の方が欲しいみたいよ」
「あぁ゛ぅっ、ぁ!あッ!や、…やめッぁ、ひッ…離し…ッ!」
いくら声を噛み殺そうとしても悲鳴みたいな喘ぎ声は止められなくて、狭くて柔い管の中をごつごつしたバイブでピストンされる度に、隙間からちゃんと出させて貰えない精液混じりの先走りが噴出して扉を汚してく。
ヤバい、って俺…ッこんなの、怒られるどころじゃ―――
『…代われ』
「聞こえないわ。なぁに?」
『代われ、っつってンだよ悦と』
―――壊されるかも、しんない。
微かに漏れてきた声はいつもよりワントーン低くて、お仕置きどころじゃ済まない折檻の予感に快感とは違う理由で背筋が震える。
「いいわ。…はい、悦。傑よ?」
『…悦?…えーつ、返事は?』
「はッぁ…!…は、ぃ…ッん、くぅ…んンンッっ!」
カルヴァの時より優しい声に、出来るだけ声を噛み殺しながら返事をした俺に、端末の向こう側で傑が楽しそうにくすくす笑った。
『ヤらしい声。カルヴァに何されてンの、お前』
「ッは…て…そー、たい…外され、てぇ…ッはく、ぅ…!」
『それで?中のローターで苛められてる?』
「んンッ…ふ、はぁッ…!…ば、いぶ…動かされっ…手、で…ッっ」
『あー、尿道の方ね。で、包帯は?貰えた?』
「っま、だぁ…ッあ、すぐ…る…ッ」
助けを求めるように思わず名前を呼んだ俺を綺麗に無視して、傑は「どーすっかな…」と独り言を呟いてから、
『じゃあ、もっかい貞操帯着けて帰っといで。包帯はもういいから』
…甘い甘いその声で、あっさり俺の懇願を切って捨てた。
「酷い男。バイブが無かったら出しちゃいそうよ、この子」
『どーせお前が変な薬でも飲ませてンだろ?いいからそれ以上悦に触んな』
「このまま歩かせるつもり?途中でトんでその辺のバカの慰み者になるんじゃない?」
『バァカ、お前の玩具とは精神力が違ぇんだよ』
「普段ならそうでしょうけど…薬盛っちゃったのよねぇ。結構キツいやつ」
大丈夫かしら、って言葉だけは心配してるような口調で言いながら、カルヴァはギリギリまで引き抜いてたバイブの上に手を当てて、ゆっくり中に押し込んでく。
凹凸を1つ受け入れる度に隙間からこぷ、こぷ、て溢れた先走りを丁寧に拭われて、結局俺はきっちり貞操帯を着け直されてその場に立たされた。
「それじゃ、傑によろしくね」
「あッ…ちょ、っと待…ッ」
鞭が解かれた手に通信が繋がったままの端末握らされて、耳元で囁かれた声に体を震わせる間もなく、俺は背中を軽くカルヴァに叩かれて、
…バタン、って背中で扉の閉まる音。
「はッ…はぁ、あ…っ」
『相当息上がってンな、お前。ちゃんと歩ける?』
「あ、し…がくがく、して…ッ」
壁に縋りついてなんとか倒れるのを防ぎながら、端末の向こうにいる傑に必死で訴える。実際、カルヴァに悪戯された所為で足は震えるし中のローターは動くし、掻き回されてモノはジンジンするしでもうヤバいんだって、色々。
「ね、が…傑、も…許して…ッ帰り、たぃ…」
『しゃーねェなぁ…じゃ、見つからないように帰って来いよ?昇降機は途中で乗られたらアウトだから階段で』
「は、階段…っ?」
確かに昇降機は人通りの多いホールを通らなきゃ乗れないし、途中で誰か乗ってきたら絶対に隠しとおせない。でも、最地下3階のここから傑の部屋まで軽く40階ぶんもある距離を、この状態で、歩いて昇れって?
「無理…絶対、無理…ッ」
『じゃあどーすンの?昇降機乗って、その辺の雑魚にイクところ見て貰うか?』
「っぁく…は、ぁ…ッ」
『あァ、イイかもなコレ。もう1階分上がれば射撃場だろ?』
「ぁ、う…す、ぐる…っ」
淡々とした声でとんでもないことを言う傑に、俺は思わずその場にへたり込んだ。ただの罰ゲームで、こんなの…ッ
『雑魚が嫌なら…幽利は仕置きで倒れてっから、鬼利でも呼ぶか?それかカルヴァ』
「や…ッ…そ、なの…出来なッ…!」
『じゃあ誰に見て欲しい?淫乱なお前が泣きながらイク所』
「嫌、やだっ…ゃ、…ぁ、ひッ!?はぅっああぅうぅ…!」
楽しげな傑の意地悪な声に首を振ったのとほぼ同時に入れられたのは、尿道に深く突き刺さったバイブのスイッチ。
振動する玩具は擦られて敏感になった粘膜を何の容赦も無くかき回して、隙間から溢れた先走りがちゅぷちゅぷ音を立てるのまで聞こえる。貞操帯の内側でドロドロになったモノが機械仕掛けの玩具でもっとぐちゃぐちゃにされてく快感に足も体もガクガク震えて、持って居られなくなった端末が床に滑り落ちた。
「ひぁッあぁああっ、ぁ、あァ゛ッ…!…も、も、ゃだ…ぁっッ」
『早く決めろって。誰?』
「ぁぅうッ…あううぅ!…は、ッも、ゆぅし…て…ッでき、な…っンぁあああっッ!」
必死の哀願も全く聞いてもらえず、痺れを切らしたらしい傑に奥の方まで潜り込んでるローターのスイッチまで入れられて、俺はガクガク体を震わせながら灰色の床に爪を立てた。
バイブの振動も強められて、細い管の中で先走りと精液を掻き混ぜられながら前立腺を直に振るわせられると、一番感じるド真ん中を機械に苛められる快感に頭ン中が真っ白になる。ここが外だとか、扉1枚向こうにまだカルヴァがいるとか、そんなこと全部頭から吹っ飛んで、聞こえるのは自分の体から響くモーター音と水音、それから、
『えーつ?…ほら、言えよ』
優しい癖に抵抗を許さない、声。
「ひぁあッっ!ぅうあぁッ、あぁんンぅっッ…!ひッぁ、あ゛ぁっ、あぁああッ…!」
度を超した快感は呼吸すらまともにさせてくれなくて、神経を直に炙られるみてーな折檻じみた愉悦に耐えながら、舌突き出して空気を貪る合間に必死で言葉を紡ぐ。
「ひぃァッ、あ…ッ…が、ぃ…ッはくぅう!」
『あ?』
伝えたいことがあるのに、快感に邪魔されて上手く言葉にならなくて。
もどかしいその感覚にさっきから止まらない涙と、飲み下す余裕なんか無い唾液が濡らした床に爪を立てながら、俺は震える手で通信機を引き寄せた。
『もう1回。聞こえねーよ』
「はッ、はァっ…すぐ、…が、ぃい…ッ!」
『…俺がいい?』
「んンッ他、のやつじゃ、なく…てッ…傑、が…!はぁッ、すぐ、る…に、見て欲し…ッっ」
『……』
「おね、が…しま、す…っ…俺、が…ひくっぅ…!ィくとこ…見て、くらさ…あぁんンっ」
泣きじゃくりながら必死で言った哀願に、端末の向こうの傑は少しだけ黙り込んで、
『…5メートル』
「はぁっ…ひ、ぅ…っ?」
中のローターとバイブの振動を少し緩めてくれながら、いきなりそう言った。
何のことか解らずに荒い呼吸を繰り返す俺に、傑は俺が今いる場所から2メートルちょい行った所に普段は使われない昇降機があって、それを使えば途中で誰にも乗られずに傑の部屋の階まで行けると教えてくれた。
『着いたら俺の部屋まで3メートルもねェし、合わせても歩くのは5メートルで済むから』
「はぁあっ…あ、ぁ…ッ!」
『20分待って来なかったらそのまま許してやンねーけど、ちゃんと出来たらついでにご褒美もあげる。…許して欲しい?』
「はぁぅうぅ…!んンっ…ぁっあ、ゆうし、てぇ…ッっ」
何時の間にか仕置きされてるみたいな状況になってることにも気づかずに、ただ従順に頷いた俺に傑が通信端末の向こうで微かに笑った。
通信が途切れる寸前、緩んだ陵辱に少しだけ余裕取り戻した俺を鼓膜から犯したのは、いつもの3倍はヤらしく聞こえるようにたっぷり意識された、少し低めの甘い睦言。
『早く帰って来いよ、悦。…待ってるから』
「ッは、はぁっ…は、あ…ッ!」
バタン、て重く扉の閉まる音がして、それを合図にしたみたいに意地で立たせてた膝からガクっと力が抜ける。
「お帰り」
「…は、ぁあッ…あ、傑…っ!」
ずるずるその場にへたり込みながら見上げた先には通信端末と、ピンクとスケルトンのリモコンを片手にぶら下げて、俺と視線を合わせるようにしゃがみこんでる傑。
バラバラ、って持ってた機械を足元に落とした傑の手が汗で湿った髪をくしゃくしゃって撫でてくれて、それだけで緊張でガチガチだった体から力が抜けてく。
力の抜けた体を傑は壁を背にして座らせて、黒いシャツ以外の服を脱がせてから、重苦しい圧迫感を与えてくる貞操帯を見せつけるみたいにゆっくり外た。
カルヴァに外された時もかなり濡れてたけど、今度はもう濡れるとかそういうレベルじゃなかった。外される瞬間、にちゃ、ってヤらしい音立てながら精液混じりの先走りが糸を引いて、中に溜まってた半透明の体液がとろとろ零れる。
「すげーな、コレ。せっかく栓してやったのに後ろまでぐちゃぐちゃ」
「はぁ、あッ…ゃ、だ…ぁ…ッっ」
「嫌じゃねーだろ?ほら、甘える前にやることあンだろーが」
「ふぁ、?…ッひぃ、あッっあぁあ!?」
意地悪く笑った傑にバイブのスイッチを入れられて、これで終わりだと思ってた俺は軽く目を見開きながら傑に縋りついた。
「あッあぁ、!な、で…っ?」
「言っただろ?さっき自分で」
もう何度目か知れない責め苦に思わず涙が溢れてきて、しゃくりあげながら聞いた俺の涙を拭いながら傑は耳元に唇を寄せて囁く。
「イクところ、俺に見て欲しいって」
「ふあっ…あ、れは…!だ、て…だれか、見せなきゃ…ダメ、てぇ…ッっ」
「で、俺なんだろ?…ちゃんと見ててやるからイってみな」
声だけは優しく酷いことを言いながら、傑は俺の片手を取るとモノに突き刺さったままぶるぶる震えてるバイブの頭を握らせた。
手で持ってるだけでも凄い振動が伝わって来て、生温い体液で濡れたそれがくちゅ、て音を立てた。カテーテルとか突っ込まれたことはあるけど、当然自分でそれを触ったことはまだ1度も無い。
「はッぁああっ…ぁ、あ…!」
目の前が真っ赤に染まるくらいの恥ずかしさでおかしくなりそうなのに、これ以上オアズケに耐えられない体はゆっくりバイブを引っ張り出してって、暴れまわる機械が中を擦りながら少しずつずり上がってく生々しさに腰が震える。
「ひぁあッ…あ、すご…っ長、ぃ…ッふぁ…!」
「ギリギリ奥まで入れられてるからな。…ほら、あと半分」
「はくぅうッ…あぅ、ンんぅう…!」
片手を傑の首に回して縋りつきながらゆっくり引っ張り上げてって、凄く長く感じられるバイブを、俺はたっぷり2分は掛けてようやく引き抜いた。
「はぁッ…あ、あッぁあ!あーッ、ぁあーッ…!」
その途端、それまで抑えつけられてたモノが一気に競りあがってきて、ぎゅうって傑の首筋にしがみ付いてそれに耐えながら、俺は散々溜めさせられてた精液を傑のジーンズと床の上にぶちまけた。
「…ッは…はぁっ、は…ぁ…!」
「お疲れサン。よく出来ました」
くしゃくしゃって俺の髪を撫でながら傑は優しい声でそう言って、中に入り込んでたローターもそのままにいきなり俺を抱き上げる。
俗に言う…アレだ。…お姫様抱っこで。
「あっ?…す、ぐる…ッ」
「言うこと聞けたイイ子にはご褒美やんなきゃなー」
「…なん、で棒読み…?ちょ、と…ごほーび、って…」
「悦のだーい好きな甘やかしプレイ。…ってか俺が普通にヤりてぇだけだけど」
もの凄く偶に、少し余裕が無くなってる時にだけ使うやけに淡々とした口調で言いながら、傑は軽々と運んだ俺の体を寝室のデカいベッドの上にぽんと放り上げた。
スプリングが軋む音を聞きながら視線を上げた途端唇を塞がれて、そのまま貪るよーなキス。…うあ、ヤバい、あんなに出したのにもう気持ちイイ。
「っは…あ、んン…!」
「改めて思ったけど、あーいう誘い文句に掛けてはお前マジで天才」
「はぁっ…さ、そい…文句、って…?」
「……」
「…傑?」
「…あーもーまた無自覚だし…余裕無くなる、っつってンだろうが…っ」
「っえ、ぁ…すぐ、…ッあ、ふぁあっあぁ…っッ」
言葉を塞ぐように、入りっぱなしだったローターをとろとろになった中を掻き回しながら引っ張り出されて。そっからはもう、ドロドロに溶けそうなくらいの甘い快感に犯されて頭ン中なんて真っ白で、全部どうでも良くなった。
…結局、傑の言う「無自覚」ってのが何なのかはよく解ンなかったのが、ちょっと気になったけど。
Fin
200,000hit記念アンケ1位、635票/1928票《 『許して』と言わせ隊 》