Chat log



チャットで書いた即興文。
基本的に会話文のみSS形式。その場のテンションで書いている為加筆予定無し。半角カナや擬音での状況説明あり。


お題【風邪っぴき幽利】
状況:寝込む幽利と看病鬼利

「ッ…ケホっ、…コホっ…」
「ほら、水」
「…ぁ、りがと…ごめん、鬼利…手間ァかけさせちまって…ぃてッ」
「無駄口叩いてる暇があったらさっさと飲んでよ。支えるの疲れるんだから」
「…ごめ…」

「……」
「……」
「……」
「…あぁ、そういえば悦がお前にって」
「旦那、が…?」
「柚子が入ってるから喉にもいいんじゃない?」
「ぁ…ちょこ…」
「食べる?」
「ン…待ッて、今起きる……うぁっ?」
「38℃もあるんだからいつも通りになんて動けないよ。じっとしてて、手間が増える」
「あッ、鬼利…んむっ」
「……」

「んんっ、む…ッ…はぁ…ふ、…!」
「…随分甘いね」
「はっ…はぁ…鬼利…」
「僕はリビングに居るから大人しくしてるんだよ」
「ぁ…きりぃ…」
「邪魔」

「…ぅ…」
「……熱が下がったら、ゆっくり、ね」
「ッ…!」
「大人しく寝ていられるね?」
「する、します…!」
「イイ子だ」



お題【声を我慢する悦】
状況:玄関口でおっぱじめるバカップル

「ひぁああッ…ぁ、すぐる…傑…!」
「…あ、そーいや締め忘れたな、そこ」
「!ッ…ちょ、閉めっ…き、こえる…!」
「悦が我慢すりゃ聞こえねぇよ」
「ひ、んンんーッ!」
「指、噛むなよ」

「んー、んぅうー…ッ!ふ、ぅっ…ぅうんン…!」
「…聞こえる?悦」
「んんっ?…むぅうッ…!」
「足音。…2人分だな」
「だ、だめっ…声、聞かれッ…んぅうぅッ!」
「我慢してりゃ聞こえねぇよ。…我慢、出来たらの話だけどな」
「すぐ、…ひッ―――!」
「ッは…すっげぇ締まり…」
「ンっんんッんー!んー、んぅうーッ!ふ、ふぁ、ひんン…ッ!」
「…トぶなよ?」



お題【チャット中に描いて頂いた猫耳幽利絵の挿し話】
状況:女帝と傑に遊ばれる幽利→鬼利遭遇

「やっぱり髪色に合せた方がいいわね」
「猫ってよりこいつの場合犬だろ。犬耳ねぇの?」
「垂れ耳のブラウンしかないわ。試しにつけてみる?」
「いや、こっちのがいい」
「でしょう?」

「…あのォ…」

「ん?」
「こりゃァ一体どういう酔狂で…ぅあッ」
「幽利、これは何かしら?」
「…ぁ、ッ…姐さ、そこは…!」
「…おいおい」
「……」
「ひッ…ね、猫耳、です…ッ」
「そうね。猫は人の言葉を喋るかしら?」
「……」
「しゃべ、らね…です…」
「じゃあどーやって喋る?そのくらい知ってンだろ、お前でも」
「に、にゃあとか…みぃ、とか…っスか…?」
「ちゃんと解ってるのね。ならいいわ」
「…ぇ、えっと…ッひ!」
「……」
「幽利。女王サマ怒らせンなよ、頼むから」

「猫に服はいらないわよね?」
「に…にゃぁ…」
「相変わらず傷だらけだな。舐めてやろうか?」
「やめっ…ぁ、にゃぁぁ…ッ!」

がちゃり。

「お。」
「あら、鬼利」
「…みぃ…」
「…何をしてるのかな?」


お題【バカップルで砂吐くほど甘々】
状況:尿道責め中

「淫乱」
「ッち、がぅ…そんな、じゃ…!」
「違わねぇよ。こんなトコに物突っ込まれてイク奴なんて見た事ないぜ」
「…ひ、ぅ…ッ」
「泣くなよ。…そういうエッチなトコも大好きだから」
「…ばか」


お題【「やっべ」って言う傑】
状況:強気な悦のフェラ

「んんぅ…ふ、…んっんっ」
「…おい悦、」
「ふぁっ…な、んで抜くんだよばか…っ」
「もう3回目だろ。いい加減腹壊す」
「…んむっ」
「っ…」
「ふぅんんっ…ん、ぅう…!」
「は、…カリばっか責めんなって…っ」
「んっんぅっ…ぅううッ」
「ッ!…ぁ、…やっべ…っ」
「……」
「……」
「…もう下手クソなんて言わせねーかンな」



お題【学園物で悦先生】
状況:テスト教官な悦→その後

「えっちゃーん、答え教えてー」
「教えるか馬鹿。無駄口叩いてねーで一問でも多く解けよ。あと10分」
「えー!無理だって…いてッ」
「うっせぇケツ触んなボケ」
「……」

きーんこーんかーんこーん♪

「はぁあっ…傑、こんな…とこで…!」
「なぁセンセ、さっきのテスト俺何点だった?」
「ッは、はちじゅう…ろく…あぁ…!」
「まぁまぁか。…じゃあさ、先生」
「ひぅうッ!」
「…こっちもテストしてくれよ。俺は何点?」



お題【悦先生ver.2】
状況:職員室にて

「先生」
「っ…ぁ、傑…どうした?」
「ちょっと解んない所あって。教えて貰っていいですか?」
「あ、あぁ…うん、どこ?」
「ここの公式の変換ってどうやるんだっけ?」
「ん?……いや、これで…あってるけど」
「マジで?なんだ。ごめんセンセ、手間取らせて」
「いや…あの、もしまた解らないとこあったら、」
「聞きに来る。ありがと、先生」
「……」
「…あ、センセ」
「え?」
「…昼休み終わったら中のそれ、抜いてやるよ」
「っ……!」



お題【悦先生と生徒傑】
状況:上↑の続き。昼休み後の待ち合わせに来られなかった悦にお仕置きする傑

「あっあぁあ!あーッ…!」
「っ…は、」
「す、すぐ…も、ゆるし…ッひぁあ!」
「だぁめ」
「は、ひぁッ…あ、ぁああ…!」
「なぁセンセ?先生がさ、生徒との約束破るってどーなの?」
「っぁ…そ、れは…ごめ、ひぃんっ!」
「ん?……ちゃんとごめんなさいも言えないのかよ。そんな悪い大人は許せねぇな」
「は、はぁっ…ごめ、んな…ふぁあぁ…ッ!」
「悪いことしたらちゃんとごめんなさいしないとな?センセ?」
「ご、めっ…ひッ…ごめ、な…あぁああ…ッ!」



お題【傑体育教諭と鬼利理科教諭】
状況:喫煙室で雑談

「…学校内は禁煙だよ。”傑先生”」
「カタイこと言うなって。テスト期間って暇なんだよ」
「今日がテストなのを知ってたとは意外だね」
「ん?…あぁ、バレた?」
「必死に耐えてたけどね。バイブ?」
「いや、ローター」
「……お前の性癖に今更なにを言うつもりも無いけど、テストの日に仕込みは教師としてどうかと思うよ」
「あ?お前だってしてただろーが、幽利に。あいつバスケ好きなのにろくに飛べなくてかわいそーだったぜ」
「アレはいいんだよ。生徒である以前に僕のものだからね」
「教師としてどーよその発言」



お題【キスでふにゃふにゃになる悦】
状況:キスしてるだけ

「んッ、んぅう…ふ、は…んッ」
「…がっつくなよ。逃げやしねーって」
「はぁ、あ…ッすぐる、傑…!」
「ん、…」
「はふ、ぅう…ッん、んんーっ」
「(あーあ、びしょびしょ)…悦、」
「はっ…あ、とで…なめ、るから…ッ」
「マジで言ってンの?それ」
「はぁ、は…っすぐ…んぅう…ッ」
「…一滴残さず舐め取れよ」
「んむっ…は、んんぅ…んーッ…!」


 
 
お題【妖怪パロ設定で、傑の尻尾にじゃれる悦】
状況:そのまま

ゆらゆら、ゆらゆら

「……」
「……」

ゆらゆら、ゆらゆら

「…悦、じゃれンのは構わねぇが爪立てるのは勘弁してくんねぇかな」
「へッ!?…べ、別に…じゃれてねぇよ、子猫じゃあるまいし…っ」
「…ふぅん?」

ゆらゆら、ゆらゆら

「ぁ、…っ」
「…じゃれてんじゃねぇか」
「ッ…お前の尻尾がそんなにふわふわしてるのが悪い」


お題【妖怪パロ設定で、傑が悦に水浴びさせる】
状況:蜂蜜食べて蜂蜜まみれになった悦を、傑が近くの泉で水浴びさせる。
→水嫌いの悦が脱走。拗ねる猫又のご機嫌を魚でとる妖狐。

「…やだ」
「やだ、じゃねぇだろうに。蜂蜜塗れじゃねぇか。その格好で布団上がって見ろ、叩き出されるぜ」
「っ…お前が居ろって、言ったんだろ」
「俺じゃねぇよ、布団が臍曲げるって言ってンだ。今はあんなんだが、元は極楽鳥の羽だから気位が高ぇんだよ」
「だって…冷たいし…」
「……」
「お、溺れたらどうすんだよ!」
「俺が抱いててやるから。それなら溺れる心配もねぇだろう?」
「…う…」
「ほら、悦」
「……」

「ッ…!」
「逃げるなよ。鴉の行水にしたって早すぎる」
「は、離しッ…み゛ゃ!?」
「耳にもついてンな…どういう食い方したらこんな風になるんだよ…」
「うぅ…うーっ…!」
「唸るなよ。ほら、直ぐだから…」


「悦、腹減っただろ」
「……」
「いつまで臍曲げてンだよ」
「……」
「一緒に飯食ってくれる雰囲気じゃねぇなぁ。折角蛟がくれた魚だが…これは森の野犬にでも喰わせるか」
「!」
「…食うか?」
「……たべる」


お題【↑のネタの補完/泉の主】
状況:悦が脱走してから、傑が蛟(泉の主)に魚を貰うまでの補完。

「あーあー…ホントに猫ってェのは水が苦手なんだな」
「……傑」
「ん?…嗚呼、久しぶりだな蛟。起きてたのか?」
「なんだ…今の、喧しいの」
「俺の猫だよ。可愛いだろ?」
「…アンタが愛猫家だったとは知らなかった」
「お前は猫は嫌いだったか。悪かったな、騒がせて」
「…構わない」
「そうかい。…これは?」
「あの喧しい猫のお陰で28年振りに桜が見れた。…その礼だ」





お題【カルヴァと戮耶】
状況:女王に弄ばれるバカ(を傍から見ているヴェルディオ)

戮耶「へぇー?人間にもなかなかイイ女がいるじゃぁねぇか。いっくら王様でも独り占めはよくねぇよなぁ?」
カル「…(にっこり)」
戮耶「すました面ぁしてねぇでなんとか言えよ、オラ!」
カル「綺麗な瞳ね」
戮耶「…あ"ぁ!?」
カル「そんな風に強がるのじゃなくて、もっと余裕をもったほうが女には好かれてよ」
戮耶「…う、うるせぇよ。人間と一緒にすんじゃねぇ」
カル「あら、その顔」
戮耶「あぁ?」
カル「今までで一番素敵だわ。そういう表情も出来るのね」
戮耶「……くそっ」

ヴェル「あ…バカがいる」


お題【ヴェルディオと悦】
状況:戮耶の童貞について

ヴェルディオ「…戮耶って、なんか童貞くさいよね」
悦「え、違ぇの?」
ヴェルディオ「って言ってた。自分で」
悦「…怪しいな」
ヴェルディオ「うん」
悦「素人童貞なんじゃね?」
ヴェルディオ「…しろうとどうてい?」
悦「えーっと…商売じゃなく、素人の女とヤったことねぇってこと」
ヴェルディオ「金銭が発生する経済活動としてのセックスしかしてないってこと?」
悦「う…?…うん」
ヴェルディオ「悦くんは?」
悦「え?」
ヴェルディオ「悦くんはどっちなの?」
悦「俺?俺はもう…バリバリだよ」
ヴェルディオ「バリバリかぁ…」
悦「うん」
ヴェルディオ「うん」


 
お題【ヴェルディオと悦2】
状況:傑の初体験

ヴェルディオ「あのね」
悦「うん」
ヴェルディオ「傑はね、シェナとゾイに遊ばれたんだって」
悦「あー…それは、性的に?」
ヴェルディオ「うん。12歳の時に」
悦「へー…初が3Pとかレベル高ぇな純血種」
ヴェルディオ「うん。だからね、初めてはその後の性癖に大きな影響を及ぼすって聞いたから」
悦「あー、まぁそうだろうな」
ヴェルディオ「悦くん、大変じゃないかなって」
悦「……大変だな、確かに」
ヴェルディオ「…ごめんね」
悦「いいよ」
ヴェルディオ「うん」



お題【ヴェルディオと悦3】
状況:ヴェルディオの体について

悦「お前はさ」
ヴェルディオ「うん」
悦「触ったら腐っちゃうんだよな?」
ヴェルディオ「…うん」
悦「あ、いやそれは別に責めてるわけじゃねぇんだよ。お前被害者だし。…ただ、さ」
ヴェルディオ「なに?」
悦「や…出来ンのかな、と思って」
ヴェルディオ「…セックス?」
悦「うん」
ヴェルディオ「ううん、出来ないよ。すぐショック死して死姦になっちゃうから」
悦「だよなぁ…」
ヴェルディオ「悦くんは、いつからバリバリなの?」
悦「10歳くらい…だったかな。変態親父にレイプされた」
ヴェルディオ「…痛くなかった?」
悦「ふざけんじゃねーよってくらい痛かったな。でも気持ちよかった」
ヴェルディオ「バリバリだね」
悦「だろ?」
ヴェルディオ「うん、凄い」
悦「えへへ」
ヴェルディオ「ふふふ…」


   
お題【ヴェルディオと悦4】
状況:2人で甘味を食べる

ヴェルディオ「あ…いいにおい…」
悦「あぁ、スイートポテト作ったんだよ。食う?」
ヴェルディオ「…いいの?」
悦「ダメだったら言わねぇよ。……はい」
ヴェルディオ「いただきます」
悦「どうぞー」
ヴェルディオ「……!」
悦「え?あ…甘いモン苦手だった?」
ヴェルディオ「ううん…美味しい…」
悦「あ…あぁ、そっか。よかった」
ヴェルディオ「おいしい…」
悦「…お前の表情ってちょっと解り難いよな」
ヴェルディオ「よく言われる」
悦「だと思う」


 
お題【SEでBADEND】※閲覧注意
状況:傑花魁パロディのIfストーリー
(悦が傑の手を引く前に、傑が源座に身請けされ、阿片漬けにされていたら)


 森を背にした小さなあばら屋の前。
 澱んだ水が溜まった池で、返り血に濡れた自らの体を洗い流していた悦は、背後で響いた鈍い音にさっと顔色を変えて振り返った。

「傑!」

 建てつけの悪い戸を蹴破るようにして小屋の中に呼び掛けた悦の声に、畳すら無い、板敷きの部屋の隅に蹲った黒い影が小さく震える。

「すぐ―――」
「寄る、な…ッ!」

 駆け寄ろうとする悦を、掠れた声が咎める。乱れた髪の合間から覗く藍色の瞳は、まるで幽鬼のようにギラついていた。

 源座によって強引に身受けされた傑を、悦が強盗同然に救いだした頃には、傑の体は完全に阿片によって毒されていた。

 傑は勿論、着のみ着のままで逃げてきた悦にも満足な金子などある筈も無く、その日の食いぶちにも困る状況で阿片など買えるはずも無い。
 碌な物を食べていないことに加え、阿片の禁断症状によって傑はげっそりとやつれていたが、その髪から艶が無くなっても、赤い赤い唇が乾き裂けても、傑はやはり美しかった。

「あ、あ゛ぁあ…っ!」
「傑、傑…」

 板敷の床に爪を立て、獣のように呻く傑を、悦は堪らず強く抱きしめた。
 碌な物も食べさせてやれず、阿片も買えず、医者に診せてやることも出来ない悦に唯一出来るのは、その程度のことしか無かった。




「傑、飯…食えるか?」

 白湯のような粥を盛った欠けた椀を手に、悦は壁に背を預けてぐったりと虚空を見つめている傑の傍らに寄り添った。
 虚ろに空を泳いでいた藍色が、数度の瞬きの後悦を捉え、そしてその手の中の椀を見る。

「…えつ」
「ごめんな。…こんなもんしか、食わせてやれなくて」
「おまえ、は」

 こんなもの、傑は今まで目にしたことも無いだろう。己の不甲斐なさに唇を噛み締めながら椀を差し出す悦に、傑はどこかふわふわと漂うような口調で聞いた。

「なにか、くったのか」
「いや、俺は…後で、貰うから。先に食えよ」
「ん…」

 無理に笑顔を作って椀を押しつけると、傑は小さく頷いて椀を受け取った。
 箸も要らぬような粥にそっと口をつけると、白湯のようなそれを呑み込むのにも苦労している様子で、少しずつ少しずつ咀嚼していく。

「……」

 その様があまりに痛ましくて直視出来ず、何気ない風を装って目を反らしていた悦の手に、不意に椀が押し付けられた。
 見れば、中には丁度半分ほど粥が残っている。

「残ってるじゃねぇか、ちゃんと…」
「悦が…くえよ」
「っ…だから、俺は後で…」
「…ねぇんだろ」

 悦の言葉を遮って呟くように言い、椀を渡した傑は、再びぐったりと壁に凭れかかりながら薄く笑う。

「痩せ我慢しやがって。俺が気付かねぇとでも思ったか?」
「そんな、こと」
「いいから…もう腹いっぱいなんだよ」



「……」

 綿など殆ど入っていない布団の中で、細い寝息を立てている傑を、悦はじっと枕元で見つめていた。
 阿片が切れて暴れ出すのは、昼よりも夜の方が多かった。
 碌に米も買えぬような端金を得る為に、悦は今でも粗悪な用心棒紛いの仕事をしていたから、寝ずの番とはいかなかったが、それでも体が続く限りは見守っていたかった。
 暴れた時に怪我をするような物や、紐や縄の類は全て傑の手の届かぬ所にしまい込んであるのだが、気が気ではなかったのだ。

『悦、悦』
『……いや、なんでもない』

 ふと正気を取り戻した時に、掠れた声でそう言う傑の目が、今まで何度も見てきたそれに見えて仕方がなかった。
 瀕死の傷を負いせめてと介錯を望む時の、死を請うあの目に。



 その日の仕事は、比較的割が良かった。
 まともな物は全て傑に与えている為、みるみる痩せていく悦を見て、雇い主が何らかの同情をしたのかもしれない。
 2人で食べるのに足りる程の米が買える程の金子と、明日から少なくとも1月は、同じ程度の報酬が貰える仕事を斡旋してくれることを約束してくれたのだ。

 物知りの長屋の親父が言うには、傑の体に巣食う阿片の毒もそろそろ抜ける頃だと言う。
 それだけの金があれば、2人で、これから。
 はじまりはこんな形になってしまったけれど、これからは。何不自由無くとは言わないまでも、せめて生きるに不自由しない程度には養ってやって、その内どこか田舎の、もっと住みよい所で。こんな血腥い刀など売り払って、その金で少しの畑を買って。そこで2人で。一緒に、ずっと。

 ずっと。

「…傑」

 その日の夕日は何時にも増して赤く、まるで燃えるようだった。
 隙間だらけのあばら屋も真っ赤で、そこかしこで流れたような赤が。

「すぐる」

 米と金子の入った袋を握り締めたまま、悦は這うようにして板敷に上がった。膝が何かの液体に濡れていたが、気にならなかった。
 傑は板敷の床の上に倒れている。
 嗚呼、また自分が居ぬ間に暴れて、暴れ疲れてそのまま眠ってしまったのだろうか。
 また今日は随分と暴れたものだ。前に粥を入れてやった椀が、真っ二つに割れている。
 破片の半分は壁際に転がり、もう片方は。

 もう片方は、傑の、手の中に。

「傑…?」

 袋を放り出して体を起こしてみても、傑はぐったりとしていて起きなかった。
 やつれた美貌の半面が、燃えるように赤い夕日の所為で、赤く赤く、べったりと汚れている。

「なんだよ、起きろよ…腹減ってるだろ?」

 苦笑混じりに言いながら、悦は数度、傑の肩を揺さぶった。
 藍色の瞳は、開かない。

 そうして数度、傑の体を揺さぶって、傑の首筋から溢れた鮮血が着物を通して肌まで染み込んだ頃、悦は唐突に理解した。

 嗚呼、そうだ。傑は疲れているんだ。
 こんなに揺さぶっても起きないなんて、きっととてもとても疲れているのに違いない。
 寝かせておいてやらないと。こんな安らかな傑の寝顔は久しぶりに見る。

「飯は、起きたらで…いいか」

 自分に言い聞かすように呟き、悦は傑を抱いたまま、腰に下げたままにしていた刀を抜いた。


「おやすみ、傑」


 太陽の沈んだあばら屋に、一際赤い、燃えるような夕日が流れた。





お題【手持ち花火】
状況:メイン4人で花火

悦「ほーらナイアガラー」
幽「わー!」キャッキャ
鬼「……」
傑「…なぁ、熱くねぇのそれ。足にめっちゃ火の粉かかってっけど」
鬼「…あぁ、ホントだ」

傑「あーもー、これだから虚弱体質は…足寄越せ」
鬼「別にいい…っちょ」かき氷だばー
傑「ん、これでちょっと座っとけ」
鬼「……そこの線香花火取ってくれる?」
傑「いやじっと…してるか。いいけど、お前意外と満喫してんな」ハイ

悦「なに、鬼利足ケガしたのかよ。はい、火」超絶スパーク花火
鬼「ありがとう」
幽「水ぶくれにはなってねェみたいだけど…ごめん鬼利、俺がちゃンと…」
鬼「お前が気にすることじゃないよ」ヨシヨシ→火種落下
傑「あっつ!」



お題【日本式夏祭り】
状況:屋台巡りをする受けズと、その財布

悦「幽利はどれがいい?フルーツ飴」
幽「俺ァ旦那と同じので」
悦「俺は幽利の好きなのでいいよ」
幽「どれも美味しそォで俺にゃァとても選べねェんで、旦那が決めて下さい」
悦「んー…あ、じゃあさ、2人で別なの買って分ければいいじゃん!」キャッキャ
幽「旦那…天才ですね!」キャッキャ

傑「…フルーツ飴ってどう思う」
鬼「果実に飴、甘さに甘さを加える狂気の沙汰だと思うよ」
傑「だよな」



お題【傑VS蟹】
状況:4人で海遊び→傑と蟹の戦い

悦「えーっと、あとはホタテと…」
傑「なぁ、悦。蟹って網に乗る?」
悦「蟹?まぁ乗るっちゃ乗ると思うけど……え、なにその毛蟹」
傑「潜ってたらいた」
悦「…海女さんになれば?お前」


悦「あれ、傑は?」
鬼「岩場に行ったよ。さっき幽利が沢蟹に足を挟まれたとかで、悦が挟まれない内に撲滅するらしい」
悦「撲滅って…いくらあいつでも無理だろ、岩場に隠れられたら出てこねーよあいつら」
鬼「さぁ、どうだろうね」

幽「…何してやがンだィ?」
傑「沢蟹捕まえてる」岩ゴボォ
幽「旦那が可愛いのはわかるが、地形変えちゃァマズいんじゃねェかなァ…」


鬼「…ちゃんと戻すんだよ」
傑「あぁ、へーきへーき。水流まで覚えてっから、帰りにはちゃんと直す」
鬼「水流…さすが純血種だね」
傑「それほどでもー」岩ゴボォ→ポーイ


 
お題【蛍】
状況:4人で蛍鑑賞

幽「うわァ、ホントに光ってら…虫なのに…」キラキラ
鬼「蛍は体内分泌がどうたらこうたら(薀蓄というか説明)」
傑「でもちょっと遠いな。沢の向こうにしかいねぇわ」
悦「捕まえりゃいいじゃん」ヒョイ
傑・鬼「……」
幽「だ、旦那凄ェですね…!」
悦「簡単だって。こいつら遅ぇし」ヒョイヒョイ

鬼「遠くの蛍を眺めるという風流は…」
傑「ごめん、うちの子そういうの解んねぇんだわ。Z地区育ちだから。ごめんな」



お題【悦のモラル】
状況:情緒が理解できない悦、スポーツなら?

悦「サッカーってさぁ」
傑「うん」
悦「あのキーパーってやつ倒せば楽勝じゃん。なんでこいつらキーパー狙わねぇの?」
傑「スポーツだからルールがあるんだよ」
悦「あー…ルールって守らなきゃいけねぇんだ」
傑「……」


お題【天の川の伝承】
状況:何故織姫と彦星は年1でしか会えないのか?

傑「いや、だから天帝が罰として…」
悦「殴れよそういうワケわかんねぇ親父は。うぜぇ」
傑「あー…いや、まぁ…天帝だからな」
悦「彦星のほうも攫えよ、好きな女なら。どんだけヘタレだよ。っつーか大人しく星になってんじゃねぇよ意味わかんねぇ」
傑「あぁ、うん。そうね」



お題【悦のモラル2】
状況:双子VSビッチ

鬼「幸せの王子」
悦「世間知らずのツバメと銅像が勝手に自滅する話。あと街の連中がクズ」
鬼「白雪姫」
悦「嫉妬したババアに殺されかけるけど返り討ちにする話」
鬼「兎と亀」
悦「出来レース」

鬼「…これはどうしようもないよ」
傑「やっぱり?」


幽「シンデレラっつーのは?」
悦「硝子で出来たハイヒールを履きこなす貴族の女が、そのテクで王子を落とす話」
幽「浦島太郎は…」
悦「恩を仇で返された、もしくは最初っからじじいの戯言」
幽「金の斧は…」
悦「家に斧ぶち込まれてキレた女神が、落とした木こりに嫌味言う話」

幽「…なぁ傑、シンデレラっつゥのは…」
傑「忘れろ。大丈夫お前のであってるから、今の全部忘れろ」


   
お題【夏祭りリベンジ】
状況:サイダーでしゅわしゅわキスSE

悦「そっち瓶の色違ぇけど、味違う?」
傑「そっちは何味?」
悦「サイダー味」
傑「…それで解るわけねぇだろ」グイッ
悦「なにっ…んぅ…ッ…ふ、ぅう…ん、ん…!」
傑「…あァ、こっちの方が甘ぇわ」
悦「…しね」



お題【夏祭りリベンジ2】
状況:神社の境内で足舐め(上記SS引き継ぎ)


 …蒸し暑い。

 人気のない神社の境内の、更に裏手。隣接する竹林に半ば埋もれたそこには、溢れかえるような人混みも流石に及ばず、喧騒は遠い。

 竹の葉が散る板張りの境内に足を投げ出して座りながら、鬼利はちらりと自らの足元に視線を落とした。

「っ…ふ…はぁ、あ…」

 蒸した外気よりも更に熱のこもった吐息を漏らしながら、濡れた舌が素足の甲を這う。
 鬼利の不注意から軽い火傷をおったそこは僅かに赤くなっており、痕が残らないように、とそこを舐める幽利は、着物の裾を乱して這いつくばるようにしていた。その腰が僅かに揺れているのを横目にしながら、鬼利は薄い板の向こう、賑やかな通りの方に視線を向ける。

 境内は相変わらず風の音が聞こえるほど静まり返っていて、人の気配は無かった。

「んむ…は…んン…ッ」

 足の甲を這う舌が、火傷の治療のという大義名分すら忘れて足の指の間を辿る。そのむず痒いような快感に軽く目を細めながら、鬼利は自分と色違いの幽利の着物の襟を掴んだ。

「ッん…鬼利…?」
「…周り、見ておくんだよ」





御粗末様でした。



Novel