「実際さ、人間って何回くらいイけるんだろうな」
「素面だったら5回が限界だろ」
「薬とかもありなら?」
「どーだろーな…まぁ、百聞は一見にしかずって言うし」
「へ?…ちょ、傑ッ…!」
「あぁああッぁ、あっあぁー…ッ!」
くしゃくしゃに乱れたシーツの上に、ばたばたと音を立てて精液が飛び散った。
「はぁ…ぁ、…ッひぁあああぁっ!?」
「…2回目」
射精の余韻に浸ってぐったりとシーツに預けてた体が、イったばっかりでまだひくひくと震えてる粘膜をバイブに抉られる信じられないような快感に跳ね上がる。見開いた目から涙が溢れるけど、イっても抜かれなかったバイブを持つ傑は、先端に小指の先くらいの瘤がいくつもついたそれで容赦なく俺の前立腺を突き上げた。
「あひッィ!らめ、いまっ…あぅううぅッっ」
「さすがに3回連続は無理か」
ぐちゅ、ぬちゅ、と酷い音を立てて2度の射精(しかも連続)にとろとろに蕩けた内壁を掻き混ぜながら、傑がやたらと冷静な声で言う。2回でもキツいのに3回なんて無理に決まってる殺す気か、って言ってやりたくても、瘤で前立腺をごりごり抉られてる俺はがくがく震えながら悲鳴に近い嬌声を上げることしか出来ない。
「ひゃめ、ぇっ!ひぁッぁあぁ、あッ、あ゛ぁあっ!ッっ…ぁ…!」
押し上げるようにバイブの角度を変えられて、ずぐりと下腹が震えた。目の前が白くなるような射精の快感とは別の、体の芯が痺れるような重い愉悦にびくっびくっと背筋が跳ねる。
「あ…、はぁ…っ」
勃つ暇すら無く空イキさせられたモノから、俺の精液を吸って色の濃くなったシーツの上にぽたりと白いものの混じった先走りが垂れた。ヤらしく糸を引きながら零れるそれを、後ろから覆いかぶさるようにしてる傑の手が掬い上げて萎えかけたモノごと握り込む。
「ひィ…ッ!」
そのままぐちゅぐちゅと先走りを絡めながら扱かれて、俺はぼろぼろ涙を零しながら枷でも着けられたみたいに重い手を必死に伸ばして傑の手首を掴んだ。
「す、ぐ…っ…待、…やす、ませ…ッ」
「もう無理?」
「ひぁ、あっ、…!、り…むり、ぃ…ッ」
耳元に直接吹き込まれる優しげな声に涙を零しながらがくがくと頷くと、傑はようやく中に入れられたままのバイブを抜いてくれた。
モノを扱いてた手も先端を撫でてから離されて、それでもまだ居座る空イキの重たい余韻に甘ったるい息を吐いた瞬間、閉じかけた奥につるりとした丸いモノが宛がわれる。
「ぁ、…ふぁぁッ…?!」
「甘いの好きだろ?」
笑いながらそう囁いて、傑の指が丸くて少し硬いものを俺の中につぷりと埋めた。前立腺より少し奥まで押し上げられたそれは確かに飴玉みたいだけど、ただの飴を傑が入れるわけ無い。
「な、に……あッ」
「飴だよ。ホントは下じゃなくて上の口で食べるモンだけど、こっちの方が早く溶けるだろ?」
シーツに突っ伏した胸とがくがく震える足だけで体を支えてた俺をくるりと仰向けにひっくり返して、俺の膝の間に割り込んだ傑が飴を俺の中に押し込んだ中指を見せつけるようにくちゅりと舐めた。
「もうドロドロだもんな、お前の中」
火傷しそう、至近距離で甘く囁かれた言葉にじんと下半身が痺れる。こんなにされてまだ盛る余裕があンのかって思わず自分に呆れそうになったけど、違った。
下半身、特に変な飴玉を仕込まれた中が、本当に火傷でもしそうなくらいに熱い。
「はッ…はぁっ…!なに…ぁ、あつ…ッ」
「凄ぇ効き目」
「あッ、ひぁああぁっ!」
ずぐり、ずぐり、と鼓動に合わせて下半身に響く熱にあっという間に硬さを取り戻したモノを握り込まれて、軽く扱かれた瞬間。腰から頭まで突き抜けた快感に、腹の上に薄い精液が少しだけ飛び散った。
「や、やめっ…さわ、ちゃ…ひィッ!」
「これで3回目。さすがに減ったな」
片手でカリをくちゅくちゅと扱きながら、傑はどこからか取り出した細い硝子棒で俺の腹に散った白濁をなぞる。
風邪でも引いたみたいにぐわんぐわんと揺れる頭と、薬に浮かされた体じゃ逃げることも出来なくて、俺は自分の精液で濡らされた棒が傑の手の中で震えるモノの先端に宛がわれるのを見てるしか無い。
「傑、すぐるっ…そこ、は…許し…あ゛ぁうぅううッ!」
どんどん荒くなる息の合間にした哀願は当然のように聞き流されて、性感帯の1つにされた小さな穴に容赦なく硝子棒が埋められた。じゅぷ、と恥ずかしい水音を立てながらゆっくりと進められていく棒に細い管を擦りながら先走りを押し戻され、鈍痛にも似た痺れがぞくぞくと腰を震わせる。
「はッはひ…っ…あ、あッだめっ、さわっちゃだめぇえッ!」
「なんでダメなんだよ。好きだろ?こーやってぐちゃぐちゃにされンの」
「あ゛ぁあッぁ、あッ!ゃ、やらっ…やぁああぁッっ」
浅い所まで引き出された棒を捻りながら出し入れされて、棒が邪魔で出せない精液を狭い管の中で掻き混ぜられる腰から下が溶けそうな気持ちよさに、俺はくしゃくしゃに乱れたシーツを千切れるくらいに握りしめた。
棒を入れられる時は普通ならあり得ない、中を液体が逆流する苦しくて甘い痺れに悶えさせられて、抜かれる時はイってる時そのものの快感を棒を持つ傑に交互に与えられる。
生理現象な筈の射精までその指先に操られて、気紛れに棒を動かされる度に腰が蕩けそうな快感に泣き叫ぶ俺はもう完全に傑の玩具だ。
「はぁッあ、ぁあっ…!ひぅっぬ、て…おねが、抜い…あぁあっ!」
「まだダメ」
泣きじゃくる俺の涙を舌で掬い取りながら囁く声はどこまでも甘いのに、棒から離れた手はぷっくりと浮き出た裏筋を容赦なく押し潰して俺に悲鳴を上げさせる。
「あひッぃい!おね、がっ…おねが、しますぅうッぬい、っひぁ!ぬい、てくらさ…ぁッ」
「こっちもイイけどさ、悦?」
焦点が結べない目で傑を見上げて懇願する俺の頬を撫でながら、耳元に寄せられた傑の唇が背筋が震える程嗜虐的に笑った。
「…そんな棒より、俺の指で苛められる方が好きだろ?」
「ふぁあッ…ぁ、あッあぁ!」
下半身に直接クる低く掠れた声と一緒に、仕込まれた飴の所為でぐずぐずに溶けた中に傑の指が2本纏めて入り込む。
あり得ないくらい敏感になって疼くそこを慰めるみたいにぐるりと絡みつく内壁を撫でた傑は、涙と飲み下す余裕なんて無い唾液で顔をぐしゃぐしゃにした俺の頬にキスを落として、俺が一番感じる中のイイトコロを指先で押し上げた。
「ひぃいいぃッ!あッ!ぁああッひぃあぁっ!」
こり、と前立腺を2本の指で挟みこむように押し上げられると同時に棒で一杯になった尿道がどくりと脈打って、棒の表面に走る凹凸に狭い粘膜の中を嫌ってほど擦られる。
前後から叩き込まれる暴力じみた快感にぶつんと音を立てて意識が途切れるけど、ぎっちりと食い締めた棒を素早くピストンされて強制的に引き戻された。
「誰が寝てイイっつったんだよ」
「あ゛-ッあぁああッ!ごめ、っごめ、なさぃいっひぁあぁッ!」
お仕置きとばかりにピンポイントで突き上げられた前立腺を今度は揉むようにごりゅごりゅ擦られて、焦点の定まらない目の前が真っ白に染まる。棒に堰き止められてイけない代わりに朦朧とする頭を支配したのは、あの、体の芯が痺れるような重たい愉悦。
「まっ、ぁ゛あぁあ!イ、たッいま、イったからぁあッっ」
「あぁ、空イキ2回目?」
がくがくと体を痙攣させる俺を少しも手を緩めずに責め立てながら、傑はどうでもよさそうに言って俺の足を持ち上げた。3本に増やされた指が、バラバラに動いて蕩けたひだをぐちゃぐちゃと掻き混ぜる。
「ひッ!ぃ、くっまた、あぅううッ!あッあーっ!」
余韻が引く暇も無くまた追い上げられて、俺はシーツの上で背中を弓なりに反らせた。膝裏に手を入れられて胸につくほど持ち上げられた足が、びくびくと自分のものじゃないみたいに跳ね上がる。
「すげーな、漏らしっぱなし」
「もッもぉ無理、むりっ!あッ!あぁああぁーっ!」
隙間から溢れる先走りをぐいっと拭った傑の指が、そのまま突き刺さったままの棒をずるりと引き出した。堰き止められてた精液が少しずつ昇っていく感覚に自然と腰が揺れるけど、傑はもう少しで棒が抜けるって所でまた棒を押し戻していく。
「あーっ…!も、もぉ…ゆるし…ふぁっ…ゆるして、くらさぁ…ッ」
ぐるぐると下腹で渦を巻く熱をまた元通りに押し戻されて、それと同時に中に入り込んだ指が強く前立腺を押し上げた。
傑の指先1つで何度でも拷問じみた快感に突き落とされる俺の意識は限界で、シーツに縋った体を震わせながら焦点の飛んだ目で必死に終わりをねだる。
「じゃあ、あと2回ドライでイけたらちゃんと射精させてやるよ」
「そ、なッ…むり、も、おかひくっ…ひぁっぅう゛うぅう!」
これ以上されたら本当に気が狂う、そう思っていやいやと首を振った俺の中からじゅぷっと指を一気に引き抜いて、傑は赤い舌で自分の唇を扇情的に舐め上げた。
指を抜かれるだけでまたイった俺はもう過ぎた快感にもがくだけの力も無くて、じんじんと疼く奥に宛がわれた熱い傑のモノにひくりと足が小さく跳ねる。
「あッあ、ぁっあぁーッあー…ッ!」
「っ…うわ、スゲ…」
俺の肩口に手を突いた傑が興奮に掠れた声で小さく呟いた声も、奥まで熱い塊に貫かれた衝撃でまたイった俺には届かない。奥の奥まで届くモノに悦んできゅうきゅうと食い締める内壁を解すように緩く腰を使われると、それだけで元々霞がかってた意識が遠のきかけた。
感じすぎて辛い。途切れることなく神経を焼く快感に本当にどうにかなってしまいそうで、俺は力の入らない手でシーツに突かれた傑の腕にしがみついた。
「ぁ、あ、あっ…!」
「えーつ?ちゃんと息してろよ?」
声だけはどこまでも甘ったるく囁いた傑が、強引に引き抜いたモノをずんっと奥まで突き入れる。目を開いてる筈なのにもう何も見えなくて、空気を貪るように突き出した舌からぽたりと唾液がシーツに落ちた。
「ッ――!はぁッしぬ、ひんじゃっ…あぁっああぁ!あ゛ーッ!」
「死なねーよ、このくらいで」
呆れたように笑いながら、傑はモノに突き刺さった硝子棒に手を掛けてずるるっとそれを引き上げる。
またそれで中を苛められたら本当に死ぬかもしれない。そう思うと震えるほど怖くて、細い管の中を堰き止められた精液が出口を求めて駆け上がる感覚に背筋を震わせながら、俺はしがみついた傑の腕に涙と唾液に濡れた頬を摺り寄せた。
「も、もぉ…いれな、で…っねがぃ、します…ぬいてく、らさ…おねが、だから、ぁ…ッ」
「俺がイくまで気絶しないって約束できるなら、抜いてやってもいいけど」
息も絶え絶えな俺の髪を優しく梳きながら、傑は俺の耳元で小さく溜息を吐いた。
「…でも、無理だろ?死にそうなくらいなんだもんな」
「ひぁあぁ!っする、やく…そく、します…だから、だからぁあ…ッ!」
「わかった」
ずず、と少しだけ棒を埋められて叫ぶように言った俺に小さく笑いながら、傑は震えながらその腕に縋りつく俺の額に触れるだけのキスを落とす。
「そこまで言うなら抜いてやるよ。……イけ」
「あ゛っぁあッ!あっあっぁはぁあぁあ!」
腰に直接響く声を快感に浸されて動きの鈍った頭が理解するのと同時。透明だった表面を白く濁らせた硝子棒が一気に引き抜かれて、散々溜めさせられていた精液がどぷりと溢れ出した。
空イキの余韻の上に被さった鮮烈な快感に目の前で火花が散る。長い間我慢させられていた所為か、ほとんど勢いの無い白濁がひゅーひゅーと喉が鳴るのに合わせて上下する腹の上を汚した。
「すげー量。気持ちよかった?」
「は、ひっぃ、いッ…!」
「えーつ?まだ飛ぶなよ」
「ひぁっ、あ!あ、ぁっあ、あッっ」
ぐったりと力の抜けた足を持ち直しながら強く突き上げられて、弛緩しかけてた体が弓なりに反る。叫ぶような嬌声を上げ続けた所為で喉を痛めたのか舌に血の味を感じたけど、どろどろに蕩けた敏感な内壁を奥の奥まで熱くて硬い傑のモノに貫かれる快感に喘ぎ声を我慢することなんて出来ない。
「あ…ぁあッ…ひぃぁんンッ…!」
突き上げられる度に、ぐちゃぐちゃのモノから薄くなった精液が飛び散る。朦朧とする意識じゃそれが快感なのか苦痛なのかも解らなくて、ただ遠のきそうになる意識を必死に繋ぎとめた。
「はぁっ、あ、…あッぁ、あっッ」
「っ…悦、」
「あ、ぁー…ッ…はぁあ…っ!」
ぐち、と壊れた様に精液を零すモノの先端を捏ねられて反射的に中をキツく締めつけると、熱っぽく掠れた声と共に精液が熟れきった内壁を叩く。
最後の一滴まで俺の中に注ぎ込んで、傑のモノがゆっくりと引き抜かれた。モノに伸ばされていた手は俺の髪を優しく梳いてキスをくれるだけで、もうどこも刺激されてない、のに。
「す、ぐ…は、あっ…すぐ、る…っ」
「ん?」
なのに。もう薬だって抜けてもいい筈なのに、冷めない熱と煩いくらいの鼓動に合わせて、俺のモノからはとろとろと精液が溢れ続ける。
「おかしっ、おれ…へ、へんに…なって…すぐる、すぐる…ッ」
やっと傑には許して貰えたのに、これ以上の快感に耐えるだけの精神力も体力ももう俺には無い。引かない余韻が怖くて泣きながら震える手を傑に伸ばすと、力が入らずにシーツに落ちかけた俺の手を素早く掴んで宥めるようにキスを落とした傑が、優しい声で囁いた。
「ずっと我慢してたからいつもよりちょっと多いな。大丈夫、すぐ止まるから」
「も、やだ、…ほんと、にくるし…っ」
「わかってる。いっぱい頑張ってくれたもんな」
染み込むように甘い声で言いながら、傑の手がゆっくりと頭を撫でてくれる。快感が引かずにまだ小さく震える体をぎゅっと抱きしめられて、涙腺が壊れたみたいに流れ続けていた涙がようやく止まった。
「は…ぁ、は…っ」
「…ほら、収まってきただろ?」
俺の体は本当に傑に全部支配されてるのかもしれない。そう思うくらい、傑の言葉を聞くと同時に嘘みたいに体の疼きは引いて行って、震えの止まった俺からゆっくりと傑が体を離す。
…やだ。
「ま、まだ…っ」
「まだ?」
「…まだ、ちょ…と、へん…なかんじ、する…っ」
離れられるのが嫌で、傑の指を緩く握りながら見え透いた嘘を吐いた。
一瞬不思議そうな顔で俺を見た傑は、でもすぐに全部解ったみたいに小さく笑うと、俺を抱きしめたまま自分もシーツの上に横になって俺の手を握り返してくれる。
「じゃあ、ちゃんと治るまでずっとこうしてる」
「ん、…」
「薬が効きすぎたのかもな」
「…傑が、へんなとこ、に使う…から、」
本当は体の疼きも垂れ流し状態だった精液もちゃんと止まってる。嘘を吐いて甘えるのが少しだけ後ろめたくて目を反らしながらぼそりと言うと、傑はごめんと言って俺を抱く手に少しだけ力を込めた。
「…なお、るまで…」
「うん」
「ちゃんと、抱いて…るって、やくそく…しろ」
「あぁ。約束する」
俺の頭を撫でながら頷いた傑の言葉に安心して、俺は重たくなってきた瞼に逆らわずに目を伏せた。
俺の嘘なんて全部見透かしてるだろうけど、傑は俺との約束は絶対守る。俺が目を覚ましてもういいって言うまで、ずっとこうして抱いててくれる。きっと一睡もせずに、俺が寝苦しくないように色々と気を遣いながら。
「…おやすみ、悦」
伏せた瞼に落とされた唇が囁く甘い声に小さく頷いて、俺は沈みこむように眠った。
散々泣かされた代わりの甘やかしは、また明日。
Fin.
No.49「憂」様、No.112「響」様リクエスト
『SEでドエロ、甘甘』
『濃厚なエロをSEで』
より、もう色んな意味でイきっぱなしな悦と、鬼畜度強めに責めつつやっぱり悦に甘い傑。
露骨な淫語にも挑戦してみたのですが、書いてる途中で私が居た堪れなくなったので断念。
ひたすら我慢とか放置は多いですが、付きっきりでイかせまくりはあまり書いてなかったので…エロく書けたかしら。
憂様、響様、リクエストありがとうございました!
